スーツを経費にする裏技は使えるのか
仕事に必要なスーツを購入したときに、ふとサラリーマンでも確定申告すれば!スーツを経費として!
というフレーズがふと頭の中を駆け巡りました。
これは、もしかしたら確定申告すれば少しでも還元されるのではないかと。
うちの会社は交通費に上限があり不足分は自腹を切るスタイルなんですね。
※今でも納得がいってない
それらの領収書はちゃんと保存しているのでこれは確定申告に使えるかもと期待を抱き、裏技もとい、国が定める特定支出控除が使えるかを調べてみました。
結論
使えません。
使うための条件が厳しすぎます。
条件を満たしても還元される割合が悪く、労働と見合っていませんでした。
条件
給与所得控除額の半分を超えた分から特定支出控除の対象となります。
例えば年収500万の方は給与所得控除が154万円です。
給与収入 | 給与所得控除額 |
---|---|
3,600,000円~6,600,000円 | 収入金額×20%+540,000円 |
そして特定支出控除額として対象となる金額は給与所得控除の半分で77万からとなります。
月に仕事に必要なスーツや自腹の交通費などの経費を最低でも6~7万使う必要があります。
仮に、月8万の経費があった場合、(8万*12か月)-77万でようやく19万の申請ができます。
還ってくる金額は?
特定支出控除額と自分の年収の税率が還ってくる金額とのこと。
上の例で言うと年収500万の方が月8万の自腹経費をした場合、19万の申請で税率20%が還ってくることになります。
つまり、96万の自腹経費があれば3.8万が還ってくる!!!!
特定支出に該当する項目
1 一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出(通勤費)
2 転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出(転居費)
3 職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出(研修費)
4 職務に直接必要な資格を取得するための支出(資格取得費)
※平成25年分以後は、弁護士、公認会計士、税理士などの資格取得費も特定支出の対象となります。
5 単身赴任などの場合で、その者の勤務地又は居所と自宅の間の旅行のために通常必要な支出(帰宅旅費)
6 次に掲げる支出(その支出の額の合計額が65万円を超える場合には、65万円までの支出に限ります。)で、その支出がその者の職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者より証明がされたもの (勤務必要経費)
(1) 書籍、定期刊行物その他の図書で職務に関連するものを購入するための費用(図書費)
(2) 制服、事務服、作業服その他の勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入するための費用(衣服費)
(3) 交際費、接待費その他の費用で、給与等の支払者の得意先、仕入先その他職務上関係のある者に対する接待、供応、贈答その他これらに類する行為のための支出(交際費等)
自腹経費を多く使っている人に対して、費用が所定の金額を超えた分の一部を還付する制度の為、手軽に使えないということですね。
それにしても条件厳しすぎですよ…